Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

探究レポートを書こう

高校1年生の現代文の授業で「探究レポートを書こう」という単元を行っています。

IBコースに限らず、私の学校では「探究」という活動に取り組んでいます。生徒は自分の好きなテーマについて調べたり、企業や研究機関を訪問するなどして、理解を深めていきます。

夏の間にすでに生徒は様々な探究活動を行ってきており、それをベースにして、国語の授業ではレポートの書き方を学ぶ単元を作りました。

とはいえ、そもそも文章を書くことに苦手意識や抵抗感を持っている生徒がたくさんいます。

そこで、まずは

・文と文章の違いを理解する

・一文をなるべく短くする

・文をたくさん連ねて、なるべく長い文章を書く

というところまでは全員できるようにならう、ということを共有しました。

 

今日の授業で、一緒に組んで同じ学年を教えている先生の声がけが良かったので書き留めます。

その先生は、作文ができずに止まっている生徒たちに対して、

「工夫しようとするな」

「上手な文を書こうとするな」

「長い文を書こうとするな」

「40字くらいで書こう、なんなら25字くらいで書こう」

こういう声がけをどんどんしていったそうです。

そうすると、それまで手が動かずにいた生徒たちも「こんなんでいいの?」と、次々に動き始めることができたということです。

 

また、それでも書けない何人かの子に対しては、

先生「いま頭のなかに、どんなキーワードが浮かんでる?」

生徒「えーと、◯◯と、△△と…。あと浮かばなくて…」

先生「それでいいじゃん、その2つをつないで文を作ってみて」

先生「じゃ、次にどんなキーワードが浮かぶ?」

と個別に対応。

どうやら、その生徒は5つも6つもキーワードを浮かべてから長い文を書かなきゃいけない、と思っていたようなんですね。

キーワードを2つ思いついたら、それを使ってすぐ文を作る、という方法で、自分で書き進めることができたようです。

 

私も自分のクラスで「文を短くしよう」ということは全体に伝えていましたがらここまで目安を示したり、徹底できていなかったなあ。

チームでワークショップをやると、いろいろと参考になりますね。頼もしい。