Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

ミニレッスン

ワークショップ授業のなかで、最初の10分程度を「ミニレッスン」に充てています。

「Senobi ―読書と創作のためのミニレッスン―」と題した補助プリントを配布し、生徒にとって役立ちそうな情報や、楽しんでもらえそうなテキストを紹介しています。

 

リーディング・ワークショップ初回のミニレッスンでは、ダニエル・ぺナック『ぺナック先生の愉快な読書法』(藤原書店、2006年)から「読者の権利10ヵ条」を紹介しました。

読者の権利10ヵ条  (あるいは読者が絶対に持っている権利)

1ヵ条 読まない権利

2ヵ条 飛ばし読みする権利

3ヵ条 最後まで読まない権利

4ヵ条 読み返す権利

5ヵ条 手当たり次第に何でも読む権利

6ヵ条 ボヴァリズムの権利 (小説に書いてあることに染まりやすい病気)

7ヵ条 どこでも読んでいい権利

8ヵ条 あちこち拾い読みする権利

9ヵ条 声に出して読む権利

10ヵ条 黙っている権利

生徒は興味をもってくれて、読書好きな子は6ヵ条を読んで「分かるわ~」という反応。 

ある男子生徒とは「先生、権利の1ヵ条があるから、図書館で何も読まなくてもいいですよね(にやにや)」

「おう、いいよー」

みたいなやりとりをして楽しみました。(でも実際は、図書館に行ったら読む)

 

うちの学校は、とくに中学受験があるので、読み方もそれに引きずられている生徒が多くいます。

テキストを最初から最後まで読まなければならない、問題に答えるために本文を読まなければならない、傍線部の前後を熟読しなければならない、といった読み方です。

そうではなくて、飛ばし読みしていいんだよ、つまらなかったら読むのを止めて別の本を探せばいいんだよ、ということを最初にしっかりと伝える必要があります。

 

この10ヵ条を最初に提示して生徒と共有しておけば、リーディング・ワークショップの間に生徒が読んでいなかったり、立ち歩いて違う場所に行ったりしても、指導しなきゃ、という意識を抑えることができます。もっと楽に「どう?」といった感じで、生徒に話しかけることができ、助かっています。