Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

エッセイを書く授業

「最近、授業中生徒が明るくなりましたね」

と一緒にワークショップをやっている国語の先生に言われた。

そうかもしれない。

受け持っているクラスでは、国語総合の教科書に載っている文章を読んで理解できない生徒が多い。

1学期は教科書テキストの内容をなるべく分かりやすく教えようとしていたのだが、扱う文章レベルが合っていなかったようだ。

問いかけても、活動させても、眠そうにしていたり、どよーんとしている生徒が目立つ。

最近は、読書の時間に自分の好きな本を読んだり、ミニレッスンで興味がわくような文章を紹介したりしている。

そのためか、授業中のどよーんとした雰囲気が薄らいできた。

分からない文章を読み続けるのはつらい。

まずは「読める」文章をたくさん読む、というアプローチに切り替えて、継続してみる。

 

しばらくエッセイを読んできたところで、今度はエッセイを書いてみよう、という学習活動に入っている。

はじめは4×4マスのワークシートを使って、ブレインストーミング

自分がエッセイで書けそうなネタを探す。

この時点で、どんどんマス目を埋められる生徒と、ほとんど手が動かない生徒がいて、すでに差が激しい。

書けていない生徒の近くに寄っていって「趣味は?」「何をしている時が楽しい?」「部活は?」などとインタビュー。質問を重ねながら、そういうことを書いてみたら?と促していく。

生徒は「そんなことでいいんですか?」というリアクション。

ここでもお、面白い文章を書かきゃいけない、上手な文章を書かなきゃいけないという思い込みがあるのかもしれない。

 

そして今日は、ブレインストーミングで出したアイデアの中から、一つ選んでエッセイを書いてみる授業。

生徒はみんなChromebookを持っているため、各自ドキュメントを作成する。

早速生徒から質問が出る。

「書き出しはどうすればいいんですか?」

「何字くらい書くんですか?」

PCで作文をやっていると、こういう時に力を発揮する。いつも言うのは、

「書き出しを気にしないで、書けるところから書いていこう。書き出しは最後に考えてもいいよ」

「字数を気にしないで、なるべく詳しく書いていこう。必ず後で直す機会を作るから、その時に足したり削ったりすればいいよ」

PCで文章を作る利点を最大限に活かしたい。こういう声掛けをすると、だいたい生徒は書き始められる。

 

今日、全員に声掛けしたのはもう一つ、

「今から30分、集中して文章を書いたとき、何字くらい書けるのか試してみよう。後で文字カウントするから、自分がどれくらい文章を書けるかチェックしてみてね」

これもなかなか効果的で、結構集中して書いている生徒が多かった。

 

授業が終わっても書き続けている生徒がいたので「がんばってるね」と声をかけたところ、

「好きなテーマで書いているんで、楽しいです」といううれしい返事。