Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

中学一年生の論述問題

中間考査では、中学一年生のIBクラスで論述問題を出しました。

 

宮沢賢治の「注文の多い料理店」と「オツベルと象」を分析し、比較して説明しなさい。

 

という課題に試験時間50分をかけて取り組む。

もちろん、いきなりできるわけがないので、その前の授業までに準備をしています。

 

単元の手順としては、

 

(1)分析の観点を紹介する

今回は、IBの「関連概念」から、

登場人物、設定、視点(語り手)、構成、テーマ、スタイル(文体)

6つの観点を生徒に提示しました。

生徒はこの中から好きな観点をひとつ選び、分析に使います。

 

また、このタイミングでルーブリックを配り、論述の評価基準について説明しています。

 

2、作品を分析する

まずは全員でテキストを読み、基本的な内容や語彙を確認します。

その後、自分で選んだ観点にもとづいて分析をすすめます。

分析した内容は、ワークシートやノートにメモを取っていきます。

 

3、ふたつのテキストを比較する

それぞれのテキスト分析がある程度進んだところで、2つのテキストの類似点や相違点について考えるよう促します。

ここではアイデアを広げるためにグループワークを行いました。

 

4、アイデアをクラスで共有する

自分が書こうとしている内容を発表します。考えを整理するのと、友達のやっていることを参考にして、自分の課題の質を上げるのがねらいです。

 

5、下書き

これまで考えてきたことを、原稿用紙に書いてみます。

この後一度回収し、個別にフィードバックができれば良いのでしょうが、今回はそこまでできませんでした。

授業内で個別の質問対応で終わってしまいました。

 

そしてテスト本番です。

初めての論述試験で、生徒は緊張した様子でしたが、

50分の中で原稿用紙2枚以上、1000字程度書けている答案がけっこうあり、

がんばってくれたなと思っています。

 

これからの採点とフィードバックで応えないと!