Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

探究型授業について話し合う

職員会議のなかで「探究型授業」について話し合う時間が設けられており、何人かの先生と意見交換をした。

 

勤務校では、

管理職から全員の先生に対して、探究型授業をぜひやってみてください、学校としてみんなで取り組んでいきましょう、と常々アナウンスがある。

 

なんだか「探究=良い授業」とされすぎているようで気になる。

 

もちろん、授業に探究要素を取り入れることは、生徒の自主性を促したり、学びへの興味関心を高めることに有効だと思う。

ただ、現状の学校(とくにうちのような新学校)では、探究ばかりをしていて良いわけではない。

DPの最終試験や、大学入試があり、そのための力をつけさせねばならない。

 

そういう外的な要因があるなかで、多くの授業を探究型にしようとすると、どうしても「レベルの高い」探究型授業を設計してしまう。

探究型授業をしながら、DP最終試験や大学入試に対応できる力をつけさせようとするからである。

仮に、生徒の「探究の」レベルかそこまで達していなかったとしても、外的な要因を変えることはできないので、探究型授業のレベルを下げることはしにくい。

「探究の先取り」が起こってしまう。

 

ハイレベルの探究についていける生徒も一定数いる。しかし、身の丈にあっていない探究型授業で、ついていけなくなる生徒もいるのだ。

 

これは前にも書いたが、探究型授業は、講義を聞いているだけの授業に比べて頭を使う。1日何時間も探究をしていては、それだけでくたくたになるはずだ。

家に帰ってから、さらに予習復習をしたり、課題をやったりできる生徒は果たしてどれだけいるか。

 

そういった学校の仕組みは変えないままで、積極的に授業で探究をしましょう、と促すだけで良い教育に近づくのだろうか。

 

もし毎日の授業で探究にもっと取り組ませたいなら、宿題や予習復習をなしにするとか、授業時間を減らすとか、そこまで併せて考えたい。

 

職員会議の小グループで、こういったことを話し合った。

とはいえこの感覚は、授業で探究を取り入れてきたから感じるのであり、そもそも探究型授業をしたことのない先生にとっては、ぴんと来ない話な気がする。

だからやはり、全員に向かって探究型授業をしましょう、と呼びかけるのが先か。