Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

助動詞の学習

久しぶりに高校一年生の古典を教えている。いまは助動詞の学習。

 
以前受け持った学年では、助動詞を一つずつ取り上げ、それぞれの助動詞の活用を覚えさせ、問題演習をやらせて解説して…というオーソドックスな(?)やり方で教えていた。
 
今年は、最初から一つずつ教えるのはやめにした。
最初に「助動詞」とは何か、「活用形」「接続」の考え方、教科書付録にある助動詞一覧表の読み方、使い方などをかなり丁寧に説明した。
そして、あとは原文に出てくる助動詞をすべてチェックし、それぞれの意味、基本形、活用形を一覧表を見ながら答えてく、という勉強をしている。
 
一つ一つコツコツ覚えていく方法では、どうしてもドリル的な学習活動になってしまい、やらされている、という意識になりやすい。
一方で今回の方法は、積極的な古文の学習を促していると感じられた。
 
生徒の様子を見ていて感じたメリットは、
・辞書や一覧表を使った、独学のスタイルに近い学習活動が行えること
・少数の助動詞に特化したドリル形式に比べて、選択肢の幅が広く、考える機会が多くあること
・それゆえ、グループワークにもつなげやすいこと
・学び合い(理解している生徒が理解していない生徒に教える)が生じやすいこと
・使用頻度の高い助動詞については、繰り返し解くことになり、知識が強化されること
・「活用形」や「接続」の重要性が実感しやすいこと
・論理的に(パズル的に)助動詞の意味や活用形が特定できることが多く「分かった!」「解けた!」という達成感が得やすいこと
 
いずれはドリル的な問題演習や、活用形の丸暗記も必要だろうけど、
まずはこういう学習方法が、いきなり文法嫌い、古典嫌いにさせないためにも有効なのではないだろうか。
これを「構成主義的」と呼んでいいかは疑問だが、取り組んでいくなかで、少しずつ知識が結びついて、理解が深まっていくプロセスを、古典文法でも体験させることはできそうだ。