Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

ワークショップの授業をして気づいたこと

今年度、2学期から本格的にワークショップの授業を取り入れはじめました。

 

リーディング・ワークショップは週に1回ペースで図書室に行ってやっています。

また、ライティングの方は、作文課題の単元を増やしました。

 

自分の中で、これまでと考え方や見方が変わってきたところがいくつかあるので、書いてみます。

 

(1)◯◯(教材名)を教える、という考え方をしなくなった

 

これまでは、教科書教材を中心に授業をしていて、◯◯をどうしたら面白く教えられるかなーということが授業設計の中心でした。

 

もちろん今でも教科書は使っていますが、ちょっと扱いの位置が下がったというか、〜〜(スキルや考え方)を伝えるのに、教科書のこのテキストは使えるな、という感じになってきました。

 

(2)「生徒」という捉え方が薄れた

 

これが自分の中では一番大きい変化なのですが、ワークショップを通して、以前より一人一人が見えるようになってきた気がしています。

これまではひとくくりの「生徒」にどう教えようか、という意識が中心でした。

今は、次はあの子にどうアドバイスしようか、というように考える時間が増えました。

もちろん、そのぶん悩む時間が格段に増えたのですが。

 

以前の私はどういう「生徒」を想定して授業を組んでいたんだろう?

 

それに付随して、授業準備の時間のかけ方も変わりました。

「どう教えるか」の準備より、終わった後にどうフィードバックするか、に時間をかけるようになりました。

これにより、仕事量が増えました(笑)

 

(3)授業中、全体に向けて話す時間が減った

 

ワークショップの授業に関しては、全体に向けた説明は最初の10分程度で、後は個別のアドバイスにしています。

教室をぐるぐる回りながら、声をかけていくのですが、一人一人困っているところやつまづいているポイントが違うので、アドバイスが難しい。

一人の話をじっくり聞いていると他の子が放っておかれる。

生徒によって理解度が異なり、その生徒ごとに説明の仕方を変えていく必要がある。

 

こんなことをやっていると、あっという間に授業時間が終わり、一コマ終わるとくたくたになります。

私の勤務校はちょっと特殊で、1クラス20人程度しかいません。だからできている、という側面もあります。

(40人教室では相応のやり方があるのでしょうが、今の私ではまだ想像できません)

 

他にもいろんな気づきはありますが、以前より生徒の変化が感じ取れるようになったことが、一番の収穫だと思っています。