Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

IBコースの古典

MYPで古典をどう教えるか、ということが実に悩ましい。

 

中学段階であれば、教科書教材を使いながら、知識暗記に偏重することなく、古典を取り上げることはできる。

ただ、国語総合の古典となると、なかなか難しくなる。

(MYP最終学年は、日本の高校一年生にあたる)

 

前回も書いたことだけど、探究やプロジェクトベースの単元といった新しいことをやるとなると、これまでやっていた何かを削らなければならない。

 

では、何を残して、何を削ることができるのか?

例えば古典教育の中で、

歴史的仮名遣い、動詞の活用、形容詞・形容動詞の活用、助動詞…

と順に教え、暗記させていくやり方を踏襲していていいのだろうか。

もっと他のアプローチはないのだろうか。

 

IBのカリキュラムで教えていると、古典テキストを使った様々な探究単元が思いつく。

だけど、それらをやっていると(生徒も教師も楽しいが)、暗記中心ではないため、知識という点では不足する。

 

「反転学習」という考え方で、学校の授業では探究活動をやり、家で予習復習や暗記をすればよい、との意見もあるが、

いろんな教科でたくさんの宿題を抱えている生徒に、そんな余裕はない。

 

その結果、外部の実力試験を受けても、古典の成績が振るわない。

 

結局、生徒に多くを求め過ぎているのだ。

 

知識と探究の両方を達成できるようなカリキュラム開発ができるまでは、

優先順位をつけ、どちらかを削る決断が必要だ。