Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

「木曽最期」での話し合い

高校一年生の古典で「木曽最期」を読みました。

生徒に、テキストから読み取れる当時の武士の死生観について考えてもらいました。
 
・大将がかっこよく死ぬのが一番
・自分の命よりも後世で受ける評価の方が大切
・死に対する二面性がない、全員が一致して死に対して肯定している
・死ぬことが自分の主人のため
・精神的な死と肉体的な死が切り離されている
・死は勇ましいもの
・自分で死を決断することが名誉
 
このような意見が挙がってきました。
 
このあと「この死生観は、現代まで継続しているか、それとも断絶しているか」と質問してみました。
 
さらにいろいろと意見が出て、
 
・太平洋戦争の時まで継続していたと思う、終戦後に一気に価値観が変わった
終戦を境にだんだん薄れてきたが、完全には無くなっていないと思う
・「二面性がない」という意見があったが、昔から二面性はあったと思う。むかしも死に対して否定的な考えの人はいたが、ただ、そこにフォーカスされた記録がないだけ
 
例えばこのような意見が出て、考えを深めるきっかけを作ってくれました。
 
今回は短い話し合いだけでしたが、こういう古典を使った概念的な探究単元をもっとやっていきたいと思いました。