Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

4月の会議づくし

3月終わりから体調を崩していましたが、4月入り、いきなりインフルエンザにかかってしまいました。

いろいろあって抵抗力が落ちていたのが原因かと思います。

 

その原因の一つかもしれないのが、4月当初からひたすら続いたさまざまな会議、打ち合わせ、ミーティングの類。

ほんといろんな種類の話し合いがあって、普段話好きの私もくたくたになりました。

 

なぜこんなに会議が多いのか。

もちろん、やって良かったと思う会議もありますが。ただでさえ忙しいのに、このタイミングでなくても良くない?  と思うような会議もあります。

会議だけをしていれば良いわけではなく、教室の環境整備に、シラバス作りや授業準備など、他にもやりたいことはたくさんあります。

 

やって良かったと思うのは、次の二つです。

 

(1)職員全体で、学校の教育目標、現状、課題の確認

 

4月最初の職員会議で行われましたが、これは必須だと思います。

とくに年度の最初に新任の先生も交えて、学校の教育目標について共有することは大切です。

学校の教育目標が言葉だけの形式的なものになっていたり、抽象的過ぎて実際の教育活動とどう結びついているかあいまいだったりするケースも多くあると聞きます。

適切なタイミングで、自分たちの学校は何を目指しているのか、卒業までにどういう子どもたちを育てたいのか、確認する機会は必要でしょう。

4月の最初はそれにぴったりです。

 

(2)各教科で、どのような生徒を育てたいのか、目標を定める

 

私の学校では、まだスタートして年数が経っていないということもあるのですが、

教科としてどのような生徒を育てたいのか、中高6年間を通して何を身につけさせたいのか、

そういった目標の設定と共有が十分にできていませんでした。

今年度は、最初の教科会で十分に時間をとって、それぞれの先生が自分が取り組みたいこと、目指していることを話し、

上位目標というか、みんなで共有できる目標は何かについて話し合う機会を持ちました。

普段はなかなか雑務に追われ、ゆっくり話す時間が取れないのですが、こういう年度始めに抽象度を上げて話し合う時間があるのは良いことだと思います。

今回の話し合いを通して、国語科としての目標は「言葉を楽しむ、言葉を通して背骨を作る」に決まりました。

細かい価値観や手法の違いを超えて、チームとしての一体感を強めることができたと思います。

 

総じて考えてみると、4月にやるべき会議としては、「そもそも」について考え、それを共有する時間をたっぷり取るのが良いかと思います。

この学校は何を目指しているのか、教科として今年度取り組みたいことは何か、自分はどんな教育がしたいのか…

そういった根本的なことについて、みんなで話し合い、考えを共有し、チームワークを高めていく、そういった時間を多くとるべきです。

授業をより良くするためにどんな方法があるか、といったHOWの部分については、4月に詰め込んで研修をやるより、目標を共有した後で、1年間じっくり取り組んでいく方が良いでしょう。

 

さらに、4月あたまにやるべきことは、不安を極力減らして気持ちよくスタートするための準備です。

1年間の見通しを十分に立て、最初の方の単元の準備をきちんと終わらせておく。

年間を通して行いたい活動の下準備をする。

自分のホームルーム教室を整備する。

事前に生徒の情報を頭に入れておく。

個人個人でやるべきことが山ほどあります。全体研修を詰め込みすぎて、その時間が奪われてしまい、不安の中で新学期をスタートさせなけれなならないのであれば、それは本末転倒でしょう。

 

教育の質を高めるために全体の会議や研修時間を増やす、というのではなく、

個々の教員の連携に任せ、そのための時間をたっぷり取る、という仕組みにしていく必要があると感じました。