石村先生の勉強会に参加しました
パリインターナショナルスクールで、DP文学を教えていらっしゃる、石村先生の私的勉強に参加してきました。(勉強会は明日もありますが、仕事のため1日目だけの参加です…)
今回はカリキュラム改訂のタイミングだということもあり、前半は主な変更点の確認。
後半は、試験課題1、試験課題2をそれぞれ想定し、どのような問いを生徒に投げかけるか、というワークが中心でした。
そしてこのワークが面白かった!
IBの最終試験では、初見のテクストの分析や、文学作品の論述が課題になりますが、具体的な一つの作品に限定されるような問い、答えが一つに決まるような問いは最終試験の問題になりません。
この点、いま問題になっている共通試験とは発想が根本的に異なります。
(共通試験の記述問題では、なるべく機械的に採点できるように答案にさまざま条件がついてきます)
限定しすぎず、また広すぎもせず、
「生徒の力量によって答えが深くなったり、あるいは浅くなったりする」そんな設問が良いとのことです。
例えば、
・語り手の視点は、テクストの内容にどのような影響を与えているか。
・テクストにはどのような空間が描かれているか
・テクストにはどのような比喩が用いられ、どのような効果をあげているか
・テクストにはどのようや女性観が表れているか
といったような問いを出していくのです。
教師が背景となる文学理論をしっかりと理解していることはもちろん大切ですが、高校生に直接的に文学理論を教えるのではなく、
それを適切な難度の問いに仕立て直し、子どもたちに提示する。
その問いに取り組むことで、テクストを読んで自由に想像し、考える楽しさを体験する。
いろんな人がいろんな読みをする面白さに気づく。
高校の授業で「文学」を教えるイメージが、だんだんわいてきました。
とにかくまずは自分が文学にもっと親しまないと!