Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

子どもたちが「楽しく」学び続けるために

IB校の先生方が集まったのオンライン勉強会に参加しました。

家のこともあり、それほど長くは参加できませんでしたが、こうやって海外も含め、各地で教えてらっしゃる先生方と気軽に集まって情報交換できるのは、本当にありがたいなと思います。

 

どの学校でも休校が長引く中で、試行錯誤しながら、あの手この手でオンライン授業をやっているのが、よく分かりました。

 

グループツールを使った意見交換、ホワイトボードソフトを使って漢字学習、共有ドキュメントで小説の連作など、さまざまな授業アイデアを教えていただきました。

また、授業ではないのですが、毎朝同僚の先生と協力してビデオメッセージを配信をしている、という報告がとくに印象に残りました。

 

大変な状況であるのですが、みなさん楽しそうでもあるんですよね。

この差は何だろうな、ということを、お話をうかがいながら考えていました。

 

ひとつには、授業を行うにあたっての発想の根幹の違いを思いました。

 

みなさん、この状況下で、なんとかして子どもたちが「楽しく」学び続けられるようにするにはどうしたらいいか、子どもたち同士のコミュニケーションを維持できるようにするにはどうしたらいいか、その意識が根底にあるのだと思います。

その軸をぶらさずに、ではどうするか、ということを考えていくので、面白い活動になったり、生徒の負担を考慮した課題になっていく。

 

単に「子どもたちが学び続けるにはどうしたらいいか」という問いから設計し始めるのではなく、

最初から、「子どもたちが『楽しく』学び続けるにはどうしたらいいのか」というふうに「楽しさ」が学びの設計に含まれているのは、大きな違いだろうと思います。

 

どの学校でも休校中に子どもたちの学びをどう継続させていくか、ということに取り組んでいると思いますが、

「子どもたちが学び続けるために」という問いだけだと、既存の枠にとらわれたり、いついつまでにこれを終わらせなきゃ、という義務感が先にきたりして、その結果、大人数で講義映像をずっと視聴させるようなオンライン授業になりかねません。

その結果、生徒が疲弊しきって学ぶ意欲や楽しさを失ってしまうのでは本末転倒です。

 

こういう状況下だからこそ、「楽しさ」の優先順位を意識的に引き上げて、オンラインでのカリキュラム設計や、授業設計をしていく必要があります。

そうすることで、よりインタラクティブな、生徒の心情に寄り添った授業になっていくと思います。

 

ピンチはチャンス、という言葉はあまり好きではないのですが、

ピンチのときにも楽しさを忘れない、その精神は持っていたいと、今日の勉強会に参加して思いました。