Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

オンライン授業で生徒は学び方を工夫する

3カ月に及ぶオンライン学習で、生徒の学び方はいろいろと変化した。

同僚の先生や、生徒自身から話を聞いているといろいろと面白い。

 

同僚からは、古典の授業で質問が増えた、という話があった。

その先生は解説動画を配信するスタイルで授業をしているのだが、授業後に生徒がもう一度分からなかったところを見返したりして、それでも疑問が残ったところをメール等で質問する。

自分で見返すといった主体的な活動があるので、質問の的も絞られていて、良いやりとりができているそうだ。

 

自習ができるようになってきた、という話も出た。

これは、通学時間がないこと、部活がないこと、友達と遊べないこと、などが影響していると思うが、

自分一人で過ごす時間が増え、自分でどうその時間を過ごすかを考えるようになったことが大きいと思う。

課題の進め具合や提出状況、よく考えられているか、などで良い傾向だそうだ。

 

一人で過ごすという意味では、映画やドキュメンタリーを何本も見たり、本を読んだりして視野を広げている生徒が目立つ。

AmazonプライムNetflixに加入している家庭も多いため、名作などをどんどん紹介できる。いい時代だと思う。

 

生徒自身も、オンライン授業を様々な工夫をしながら受けているようだ。

例えば、動画配信の授業で、その時間は一人でできる別の課題をやっておいて、あとで2倍速で視聴する、と言っていた子がいた。

そっちの方が効率的に勉強できるということらしい。たしかに、その時間ずっと画面の前にいる必要はない。

 

また、たとえば化学で自分がA先生から習っているとして、A先生の授業を受けつつ、同じ時間に行われているB先生の授業も同時に観て、よさそうな方で理解する、というツワモノもいた。

それがどれくらい効果的なのかは分からないし、自分はとてもそんな芸当はできそうにないが、

生徒はいろんな工夫をして、勉強するものだなと、聞いていて楽しくなってしまった。

 

学校再開で分散登校が始まるが、いい傾向はそのまま残していきたい。