Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

今週の名文(6)

一般的には、移民の第2世代は親より良い仕事に就くことが多いのに、日本にデカセギに来たブラジル人の子どもは、工場労働者のままです。さらに次の世代の子どもたちは、発達に障害があるとされ、世代を経るにつれて社会階層も学歴も落ちています。このままでは深刻な社会問題を引き起こします。


◯デカセギの子どもの教育問題を調べてきた臨床心理士、中川響子さんの言葉。69朝日新聞より。早い段階で適切な教育やサポートが受けられていれば状況は変わるかもしれないのに。この教育システムや社会構造の問題は『ケーキの切れない非行少年たち』で述べられていることとも共通する。



聴くということが、だれかの言葉を受けとめることであるとするならば、聴くというのは待つことである。話す側からすればそれほ、何を言っても受け容れてもらえる、留保をつけずに言葉をつけとめてくれる、そういう、じぶんがそのままてま受け容れてもらえるという感触のことである。


鷲田清一『「待つ」ということ』より。定期的に読み返し、自分はこういう聴き方ができているか振り返る。



なんの私のすることが あるか? それは分らぬ:が,とにかく なにかしなければならぬような気がして,どんなのんきなことを考えているときでも,しょっちゅう うしろからなにかに追っかけられているような気持ちだ。それでいて、なんにも手につかぬ。


◯何となく読み返した『啄木 ローマ字日記』、あまりに今の自分にぴったりな気分が書かれてあった。こんなに啄木に共感できるとは。