Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

今週の名文(9)

たとえば「集団になじめないなら別室登校でも」という対応を、甘やかしと見る人もいるだろう。でも、寄り添うとは、あくまでも本人の意思を尊重し、自分で前に進んでいけるように見守ること。時間はかかるが、子どもの心がささくれず、しっとりしていくことにつたがる


西川孝治(大阪市立市岡中学校長)さんの言葉。子どもの心がしっとりする、っていう表現いいなあ。朝日新聞6月28日より。





「やさしい日本語」の本質は、いかに分かりやすく伝えられるか。それは本来、外国人や子ども向けに限らない話だ。コツが三つあるという。①文章を短くする、②伝えたいことを最初に言う、③書き換えたものを客観視する。特に、英語などのシンプルな構文に書き換えられるかを考えると効果的だという。「心がけ次第で、誰でもできる。外国ルーツの子どもが増えるなか、とくに学校の先生には、ぜひトレーニングしてほしい」


NHKニュースを「やさしい日本語」に直す山屋頼子さんの記事。6月29日朝日新聞。この三つのコツは、生徒にぜひ身につけてほしいスキルだ。



プロデューサーのゲイル・ハードと僕は、二つのレベルでうまくいく映画をつくろうと決めたんだ。まずは、12歳の子が、こんなイケてる映画見たことないって思うような、結末めざしてまっしぐらのアクション映画として。そして、スタンフォード45歳の英文学教授には、ある種の社会的政治的(ソリオポリティカル)な意味合いが隠されていると思ってもらえるようなSF映画として。


戸田山和久『教養の書』で引用されていた、ジェームズ・キャメロンの言葉。この2種類の読み方をどう楽しめるか、授業でもそこが探究のしどころになる。



小説として人物を描写するということを星さんは全然してらっしゃらないので、そのせいでなかなか評価されにくかったような気がします。エヌ氏とエフ博士のどこがちがうのか全然わからないし、どんな人なのかもわからない。「人物」ら全然書いてらっしゃらない。でも、根本的に「人間」を書いた作家だと思います。顔のある、個性のある人物は書いていないけれども、人間を代表する人間を書いている。だから、イソップ物語が古くならないのと同じように古くならないんだと思います。


◯昔買った文芸誌の星新一特集で、新井素子さんが語っていた言葉。

星新一ショートショートはたまに授業で使うけれど、ほんと生徒の反応がいい。