Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

国際バカロレアって何?~国際バカロレア入門①~

「国際バカロレア」という名前は、最近いろいろなところで耳にするようになりました。けれど、その中身や詳しいところについてはまだあまり知られていません。

保護者や教員の中でも、英語を学ぶためのプログラム、海外の大学に進学するためのプログラムだと誤解しているケースが多くあります(もちろんそういう側面はあるのですが、それが「最大の目的」ではありません)。

と、偉そうに書きましたが、私も国際バカロレアに関わり始めた6年前には同じような誤解をしていました。

勉強していくうちに、だんだんと理解していき「これはなかなか面白いぞ」となっていったのです。

その面白さをもっと広めたくて、1年前には本も出しました。

 

そんなわけで、ブログの連載企画第2弾は「国際バカロレア入門」です。

初心に戻ったつもりで「国際バカロレアって何?」というところから、基本的なところを解説していきたいと思います。

 

そもそも国際バカロレアって何?

国際バカロレアとは、世界共通で行われる教育プログラムのことです。

インターナショナル・バカロレア(International Baccalaureate)の頭文字をとってIB(アイビー)と略して呼ぶことが多いです。

 

いきなり話がそれますが、英語圏の人ってこういう略し方好きですよね。ワークショップに出たりガイドブックを読んだりしていると、どんどん略称が使われるので慣れないうちは結構混乱しました(今も…)。

まぁ便利なので、今後の解説でも適宜使っていくことになると思います。ご容赦ください。

 

管理・運営するのは、国際バカロレア機構(International Baccalaureate Organization:IBO)という非営利団体です。

たまに混同されますが、アメリカのアイビーリーグ(Ivy League)とも、フランスのバカロレアとも関係ありません。

もともとは、ヨーロッパの外交官や大使など、海外転勤の多い親からの要望によって始まったそうです。どこの国であっても等しく高い水準の教育を受けさせたい、そのようなニーズに応えるために開発されたのが「国際バカロレア」の教育プログラムです。

 

1968年のスタート時には、わずかに7校でした。

はじめはヨーロッパの一部の層を対象にした教育プログラムだったのですが、その理念や取り組みに賛同する学校が次第に増え、徐々に世界中に拡大していきました。

今では158の国で、5284校が国際バカロレアのプログラムに取り組んでいます。(2020年7月時点)

(参照:https://www.ibo.org/about-the-ib/facts-and-figures/

 

日本での広がり

 

日本では2020年6月現在、IBOに認定された学校(IB校)が83校あります。

そのうち一条校は44校です。

(参照:https://ibconsortium.mext.go.jp/ib-japan/authorization/

 

現在「候補校」として、認定に向けて取り組んでいる学校があり、日本でのIB校の数は今後も増えていくと思われます。

ただ、一時期は文部科学省から「2020年までに200校のIB校をつくる」という目標が提示され、バックアップもあったのですが、そんなペースにはなっていませんね。

「200校」の話も最近は聞かなくなりました。

日本での国際バカロレアの広がりが、一過性の流行になってしまわないことを願うばかりです。

 

 

今回は、IBの外枠について説明しました。

中身の部分、IBのプログラムでどのようなことが行われているかについては、これから少しずつ解説していきたいと思います。