Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

今週の名文(21)

教養とは、運命として与えられた生まれ育ちから自分を解放すること

  読書猿

 

読書猿さんのオンライン記事(DIAMOND ONLINE 9/28)から。教養とは、蘊蓄を語ることでも、幅広い知識をもっていることでもないという。勉強の目的にも通じるものがありますね。

『独学大全』はやく読んでみたいなあ。

 

そもそも探検とはシステムの外に出る行為で、ある意味、社会や時代の価値観の否定でもあります。にもかかわらず、「社会の役に立つ」という全く逆の文脈で問われたことにびっくしたんです。極夜を見に行くことが、社会の役には立つわけがないでしょう。

  探検家・各幡唯介

 10月1日朝日新聞に載っていた探検家・各幡さんのインタビューが面白かった。探検から帰国した際、記者に「探検は社会の役に立っていないのでは?」と問われて驚いたという。

役に立つか/立たないか、というモノサシばかりで測るような風潮を批判的に考えるため、探検を続けるそうだ。

 

しかしさっき君は、実にうまく音読したね。この問題は三つの文章から成り立っている。ハンカチとくつ下が三回ずつ出てくる。×枚、×足、×円。×枚、×足、×円…この繰り返しのリズムを、的確につかんでいた。味気ないドリルの問題が、一篇の詩のように聞こえたよ

  小川洋子博士の愛した数式

 

記憶が80分しかもたない博士が、小学生のルートの宿題をみてあげる場面。博士の子どもに対する接し方、つい教員視点で読んでしまう。子どもの良い点をしっかりつかまえて、言葉で表現する。とても良い。