Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

今週の名文(22)

これほど豊かになって、これほど幸せにならなかった国はめずらしい

  池内紀

 

10月5日朝日新聞「折々のことば」で紹介されていた言葉。

先日も、日本の子どもの精神的な幸福度の低さがニュースになっていました。世界的に教育の目標がWell-beingにシフトしていくなかで、いつまで有名大学への進学実績に固執しつづけるのか、最近とくに考えますね。

 

いいか、相手は子どもなんだぞ

  絵本作家・赤羽末吉

 

絵本作家の赤羽さんは、絵本のなかに描く風景や時代設定がでたらめなものにならないよう、とことんこだわって絵本を作っていたそうだ。「いいか、相手は子どもなんだぞ」が口癖だったとか。相手が子どもだからこそ手を抜かない。

高濱正伸・平沼純『子どもを本好きにする10の秘訣』から

 

「疑問をもつ」とは、「関心をもつ」ことと同義です。好きな人のことを「もっと知りたい」と思うのと同じことだといえます。

  堀越耀介

 

『哲学はこう使う』から。私たちは学校教育の中で「問いに答える」ことに慣れすぎていて、「問いを立てること」「問いに問いを重ねていく」ことが苦手だと言う。そのためワークとして、本書の中で著者は友人と「コップ」に対して思いつく限りの問いを出していく。そして「実際その友人とは、数時間にわたってそれぞれの問いを議論しましたが、大変興味深いテーマであることがわかり、私たちはコップに対する愛を深めました」と記す(笑)。ここ好き。