道徳の授業で使えるオススメ絵本
子どもが生まれてから絵本をいろいろ見るようになったのですが、あらためて読むとめちゃくちゃ面白いですね。
そして時に、思わず考え込んでしまうような、読み終わってからもいろんな問いが浮かんでくるような素晴らしい絵本に出会うことがあります。
今回の記事では、道徳の授業や哲学対話で使ってみたい絵本をいくつか紹介します!
おーなり由子『ことばのかたち』(講談社、2013年)
「もしも 話すことばが 目に見えたら どんなかたちをしているだろう」という問いかけから始まるこの絵本。やわらかく鮮やかな絵が印象的です。
「大きくて やわらかい花は どんなことば?」など、言葉についていろいろ考えてみたくなる問いがたくさん投げかけられます。
「ふわふわ言葉、ちくちく言葉」という道徳の授業がありますが、それよりさらに具体的で、中学生にもオススメです。
二見正直『もっとおおきなたいほうを』(福音館書店、2009年)
自慢の大砲を撃ちたくて仕方がない王様。あるとき川で魚をとっていたキツネを、その大砲で追い払います。しかし今度はキツネがもっと大きな大砲を持ってきて…
と、王様とキツネの大砲比べ。
全体的にギャグ調で、笑いながら読むことができますが、なぜ人は争ってしまうのだろう、という重大な問題を含んでいます。
絵本を読んだ後に、そこから一般的な問いを作るようにするといろんな考えが出てきそう。
べーレフェルト『一わだけはんたいにあるいたら……』(偕成社、1984年)
もう絶版になっているようなのですが、とても素晴らしい絵本なので、図書館などでぜひ見てほしいです。
ある島では「あるきどり」の群れが生活しています。「あるきどり」たちは、みんな一斉に同じ方向に歩いて暮しています。そのとき、一羽のあるきどりが、急に反対方向に歩き出しました。「やめろ!」「同じ方向に歩くんだ!」と他のあるきどりたちは猛反発。さて、あるきどりたちはどうなったのか…
この短い物語の中に、集団生活のルールに従った生活、その中で自分の信念を貫き通す難しさ、など大事なテーマがたくさんこめられています。
これを読むと、子どもたちも今の生活を相対化したり、勇気をもって行動したりすることができるのではないかと思いました。
このヘタウマの絵も私好みです。再版してほしい!
荒井良二『きょうはそらにまるいつき』(2016年、偕成社)
荒井良二さんは素敵な絵本がたくさんありますが、最近読んだこの本もとても良かったです。
夜の街で、乳母車の赤ちゃん、楽器を練習している人、夕食後のおじいさんおばあさん、いろんな人が空を見上げたり、見上げなかったり…ページごとに繰り返される「きょうはそらにまるいつき」のフレーズがとても心地いい。
内容項目「自然との関わり」でどういう授業をしようか困っていたら、この本はオススメです。きっと空を見上げてみたくなりますよ。
中山千夏・ぶん 和田誠・絵『どんなかんじかなあ』(自由国民社、2005年)
最後に紹介するのは『どんなかんじかなあ』です。
この本についていろいろ語りたいのですが…あまり私がここで解説してしまうと、この本の魅力が薄れてしまってもったいない。気になった方はぜひ直接手に取ってみてください。心に残る一冊になると思います。
オススメの絵本はまだまだたくさんあるので、そのうち第2段を書きます!