Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

リーディング・ワークショップでの悩み

昨年リーディング・ワークショップに取り組み始め、効果は感じるものの、同時にいろいろな悩みや困り事も生まれてきていました。

 

先日の勉強会では、すでに何年も実施されている先達からアドバイスをいただく機会を得ました。

 

【悩み1】

同じような本(ジャンル)を読み続けている生徒に、もっといろんなジャンルに挑戦してほしいと思うが、どう働きかけたら良いのか。

 

(アドバイス例)

・まずは教師の側からブックトークをするなど、生徒の関心を高めること。先生が面白いと思っている本には子供は興味をもつ。

・時には図書館でなく教室でやったり、読むジャンルを限定する(説明文、新書など)のも有効。

・一冊の本から次の本へのつながりを意識させる仕掛けを使う。

・知らない本について語るブックトークが面白い。

・ねばり強く、その子にあった本を紹介していく。

・自分の紹介で限界を感じる時は他人(司書の先生、友達)を使う。

 

【悩み2】

生徒は好きな読書ができて楽しんでいるようであるが、それを授業としてよいのか。勉強したくなくて、逃避になっているのではないか。忙しい学校生活の中で癒しの時間になっているように感じるが、それでいいのか。

 

(アドバイス例)

・そもそも、生徒が興味を持って読んでいくならそれでいいのではないか。まずは読書の基礎体力が大事。

・生徒は何かと忙しいので読書の時間がとれていない。国語の時間にその時間を確保するのは大切。

・読書を通じて身につけた考え方に勝るものはない。

・結局、読書が得意だと勉強もできるようになる。

・アウトプットとつなげると読書への意識が高まる。

・高校の現代文ではテキストの難度が一気に上がるので、説明文系のものは読ませる。

 

【悩み3】

自由に読んでいいよというと、寝転がったり本当に自由な姿勢で読んでいるが、それでいいのか。マナーや公共の場としてのふるまいについて、指導した方がよいのか。

 

(アドバイス例)

・目標が本の世界に浸るということであれば、どんな姿勢でもよいのでは。

・確かに図書室より教室の方が静かに読める。

・寝転がる用のラグを買うなど、場所を限定してみてはどうか。

・実際に担当する教師の身体的な抵抗に合わせてルールを決めた方が良い。(さすがに制服で床に寝るのはやめてほしい、など)

・自分の部屋を想定させるのではなく「カフェ」など、場の設定をすると良いかも。

 

先輩方の実践から生まれたアドバイスは実に参考になります。

また3学期のワークショップ実施が楽しみになりました。