本の完成、その後~『ラクイチ授業プラン』ができるまで⑮
本づくりのプロセスを、連載のような形で紹介してきました。
今回で最終回です。
『中学国語 ラクイチ授業プラン』完成後のことをいくつか紹介します。
本の売れ行きは順調で、1年後には重版、今は2刷まで出ています。
ありがたいことに、いろいろな先生から「使っていますよ」「助かっています」といった声をいただいています。
若手の先生の授業づくりの参考にもなっているようです。
前の記事にも書きましたが、大学の教科教育法や、教育実習の事前指導で使ってもらうという、こちらが想像していなかった広がりも生まれました。
海外のインターナショナルスクールから、日本語の苦手な子どもたちも、楽しんで取り組んでいます、という報告をいただいたこともあります。
そういう話を聞くたびに、作ってよかったーって思います。
これで実績が一つできたので、シリーズ化しようという話が決まりました。
(もともと、シリーズ化したいね、という話はしていたのですが、国語の売れ行きを見て決めると出版社からは言われていました)
第2弾は「中学社会」です。
こちらは「ラクイチ」のタイトルを考えてくれた先輩に執筆代表をお願いしました。
そして第3弾は「中学英語」。
編集者の方のつながりで、福井の若手実力派の先生に引き受けていただきました。
実は私も福井出身で、帰省のタイミングへ編集ミーティングをしたり、執筆者のみなさんと飲みに行ったり、楽しい思い出です。
この春には、実践共有サイト「フォレスタネット」とコラボレーションをして、「小学校 ラクイチ授業プラン」を出しました。
しかも、低、中、高学年の3冊同時発売。
これは、フォレスタネット上で「ラクイチ」の投稿を呼びかけ、多く投稿して興味を示してくださった先生方を中心に本を作る、という新しい試みでした。
編集者さんの思いにあったように、新しい書き手を作る、という一つの形を作れたのかなと思います。
もう一つ、これも望外のことだったのですが、
日本アクティブラーニング学会が行った、アクティブ・ラーニング・アワード2017にエントリーしたところ、非ICT部門で金賞をいただくことができました。
当日、会場で各賞が発表されるのですが、
銀賞まで発表されても自分の番号が呼ばれず、「さすがに金賞はないよな。やっぱりだめだったか…」と考えていました。
そして、金賞の発表。
自分のエントリー番号が呼ばれたにも関わらず「やっぱりだめだったか…」と、しばらく上手く状況が飲み込めませんでした。
落語に「宿屋の富」という話がありますが、まさか話と同じような体験をするとは。
アクティブ・ラーニングのハードルを下げ、誰にでも取り組みやすい授業づくりに貢献した、というのが受賞の理由だそうです。
今回の本づくりを通して、自分のアイデアを形にすること、みんなでプロジェクトを実行すること、世の中に発信すること、そういう面白さを体験することができました。
また同時に、本づくりの大変さや、伝わらないもどかしさも感じています。
いずれにせよ、こういった形で教育に貢献できたことは、私にとって大きな財産になりました。
「ラクイチ」シリーズはこれで終わりではなく、まだ発表できる段階ではないのですが、次の企画も動き始めています。
続編をお楽しみに!
『ラクイチ授業プラン』ができるまで。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
(あ、ブログはまだ続けます!)