教科書の使い方
高校1年生の現代文、とくに勉強が苦手なクラスで「探究」を意識した単元を行っている。
2学期に取り組んできたのは、
・好きなテーマについて調べ、レポートを作成する
・エッセイを書く
・好きなメディアからテキストを分析する
といった課題だ。
もともと、活字を読んだり、考えたりするのが苦手な生徒たちだ。
これまでは、教科書教材を読み始めても、すぐに寝てしまい、定期テストも散々、ということの繰り返しだった。
そこで、2学期は教科書教材を使って定期テストを出題するのをやめた。
定期テストでは、漢字などの知識問題や初見の実力問題を出し(テストの比重を下げ)、
授業中の取り組みに対する評価を重視していった。
課題もほとんど個別課題で、スタイルはこちらで指定しているが、テーマ選択はかなり自由度を高くしている。
もちろん取り組みに差はあるが、授業中に寝る生徒は格段に減った。
授業内での学びに対して、前向きな生徒が増えてきたように感じる。
学力の低い生徒にはアクティブ・ラーニングは難しい、という話も聞くが、学力の低い生徒にこそ、その子に見合ったアクティブ・ラーニングが必要なのではないか。この辺りはゆっくり検討したい。
そして教科書。
今は授業の前半(20分くらい)を使って、多読のためのテキストとして使っている。
とくに論説文は、苦手な生徒が多いため、みんなで音読したり、段落ごとの要約を行っている。
不思議なことに、完璧に分からなくてもよい、テストに出さない、といった前提でみんなで読んでいると、結構な生徒が興味を持って読んでいく(理解しようと努力する)のだ。
前はばたばたと寝ていたのに。
テストのために論説文を読むのではなく、知らないことを知るため、自分の考えを更新するために文章を読む。そういう知的な面白さをなるべく実感してほしいと思ってやっている。
「授業」というより「読書」に近くしているのが良いのかもしれない。