Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

期末考査雑感

高校1年生現代文の試験。

今学期はワークショップを取り入れたこともあり、テストのやり方を大幅に変えている。

 

これまでは、教科書教材を精読した上、そのテキストについての問題を定期考査で出題していた。(多くの学校がこうしていると思う)

なかなか勉強に対する生徒の意欲が上がらず、テストも空白が目立ち、平均点も悪い状況が続いていた。

なんとか勉強に向かわせようと、事前に問題演習のための対策プリントを配ったりしていたのだが、問題と答えを丸暗記してくる生徒が増えただけだ。見かけ上、平均点は少し上がるが、本質的な改善ではない。

テストの度に「問題演習のプリントをください」と当てにする生徒も目立つようになってきた。

 

今学期は、授業中の課題を重視することとし、教科書は多読のための教材として授業最初のミニレッスンで用いている。

精読はいったん止めて、本文の音読と要約、筆者の考え方を大づかみにとらえることを集中的にやってきた。

定期考査は漢字や語句の知識問題の他、初見の問題を出している。

 

今学期からこのやり方にして、中間、期末とテストをやってきたが、生徒の取り組みが向上してきたことが感じられた。

答案の空欄が減り、問題に取り組んでいる様子が採点していて伝わってきた。

記述の解答も、これまでは本文の意味を理解しないまま丸写ししてくるような解答が多かったのだが、今回は本文で書かれていることを自分なりに理解しようとし、まとめながら記述している解答ばかりだった。

 

勉強が苦手な生徒にとっても、ワークショップ型の授業スタイルは効果的なのではないか、そう思えるテストの結果だった。