Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

カードを使った教員研修

冬休み初日、教職員の全体研修を行いました。今回私はファシリテーターのひとりとして、企画から行っています。

 

今回の研修では、ベネッセさんからいただいた「アクティブ・ラーニングのためのパターン・ランゲージ《教師編》」というツールを使いました。
 

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これは、アクティブ・ラーニングを行うために有効なポイントや教師の心がまえなどが、キーワード、短い説明、イラストなどでカードになっています。

 

グループの構成は、学年、教科、年齢がなるべくばらばらになるように組みました。

 

ウォームアップは教頭より、

 

「主体的・能動的学習とは(    )であるが、(    )でない」

この(  )に入る言葉を考えて、グループで共有しましょう。

 

という課題が出され、メンバーに自分の考えを伝えていきます。

このような答えのない問いについて考える活動を通して、発言するハードルを下げ、お互いに何でも自分の意見を言い合える雰囲気を作ります。

 

さて、最初のセッションは探究型授業について。

 

カードを机の上に並べて、自分が普段から意識して取り組んでいること、得意としていることについて、発表していきます。

それが終わったら、自分は上手く出来ていないから他の先生がどうやっているか聞きたい、という項目を選び、グループのメンバーに質問していきます。

さらに、何枚かのカードを持って代表者が、他のグループに意見を聞いてくる時間も設けました。(ワールド・カフェ方式)

 

ワークショップスタイルの研修は、本校では何度もやっていて慣れてきているのですが、今回はいつも以上にみんなが話し、考え、盛り上がっているように感じました。やはりカードの効果があるのかもしれません。

 

このカードを使って感じたメリットを挙げておきます。

 

カードを使うことで、共通のキーワードや観点についてのディスカッションがしやすくなりました。

また、カードに書かれていることは抽象的な内容なので、ディスカッションではなるべく具体的な話をしてほしいとお願いしてありました。その結果、自分の経験をみんなで共有するような話し合いにどのグループもなっていました。

自分が出来ていないことを話すのは勇気がいりますが、カードを使うことで苦手なことを他の先生に聞いてみる、というのが気軽に行えるのも良い点でした。

とくに、普段の研修会ではIB担当の先生が、他の先生にやり方を教えるという流れになりがちなのですが、今回はカードを使うことで、それぞれの立場や経験から効果的な方法を提案する話し合いになっていました。

 

後半のセッションでは、本校の行事をさらに良いものにするにはどうすればよいか、

これもカードを使いながら検討していきました。

 

午前中をフルに使った研修会はなかなか疲れますが、みなさん積極的に参加してくださり、企画した甲斐がありました。

問題点を共有し、経験を交換し合う良い機会になったと思います。