概念ベース授業づくりワークショップ
授業づくりワークショップ
先日、5回目の概念ベース授業づくり研究会を開催しました。(隔月開催)
参加者が数人でも、細々と続けていこうと当初は考えていましたが、
毎回、10人くらいの参加者があり、熱い話し合いが行われています。ありがたいことです。
さて、今回は夏休み企画ということで、
概念ベースの授業づくりワークショップを行いました。
初の試みです。
『理解をもたらす―』や、IBのガイドブックのアプローチを参考にし、
そして今読んでいる最中の『Concept-Based Curriculum and Instruction』の内容を早速取り入れながらやってみました。
Concept-Based Curriculum and Instruction for the Thinking Classroom (Corwin Teaching Essentials)
- 作者: H. Lynn Erickson,Lois A. Lanning,Rachel Leah French
- 出版社/メーカー: Corwin
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: ペーパーバック
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ワークショップの手順
ワークショップの手順は以下の通りです。
①単元の大枠、扱いたいトピックを選ぶ
小説を読む、古典の学習をする、など(「走れメロス」を読む、など教材ベースも今回はありにしました)
②リストから概念を選ぶ
『Concept-Based-』には概念の例が挙げられていて、今回はその中から選びました。
対立 信念/価値 相互依存 自由 アイデンティティー 関係性 変化 視点(ものの見方) 権力 システム 構造/機能 デザイン ヒーロー 強さ つり合い 複雑さ パラドックス 相互作用 転移 パターン 起源 革命 影響 バランス 核心 才能 有益 創造性
(『Concept-Based Curriculum and Instruction』p.13のリストをもとに作成)
③選んだ概念を通してみたときに、どのような単元になりそうか考える
④別の概念を選ぶ
⑤概念を変えると、単元はどのように変わるか、考える
⑥2つを比べてみて、面白い方(生徒にとって良い単元になりそうな方)を選ぶ
⑦探究テーマ、探究の問い、を考える
「探究テーマ」とは、その単元を通して生徒が(概念的に)理解すること。
『理解をもたらす―』でいうゴールにあたります。
「探究の問い」については、以前のエントリーを参照してください。
⑧評価方法を考える
⑨学習活動を計画する
⑩教材を選ぶ
と、このような順番でワークシートに記入していきます。(30分程度)
この順番は「逆向き設計」を意図したものです。
だいたいの人が書けたら、シートを共有し、発表し合いました。
ふりかえり
今回試してみて、いろいろと課題はありましたが、可能性を感じました。
良かったこと
短い時間でたくさんの授業案が集まる!
今回は12人の参加で、それぞれ個人で取り組んだため、1時間程度のワークショップで、12本の単元アイデアが集まりました。
すぐに共有することで、他の人のアイデアを次に生かすこともできます。
逆向き設計が実践できる!
ワークシートを使って手順をふむことで、全員が「逆向き設計」を実行することが可能です。最初は窮屈さを感じると思いますが、そのうち慣れるのではないでしょうか。
改善ポイント
チームでやった方が楽しい
今回は2学期の単元設計を想定したため、個人戦にしてしまいましたが、チームでやった方がいろいろ刺激があって楽しそうです。
評価方法、使える教材アイデアなどにしても、チームの方が発想は広がるでしょう。
参加者の方から、「概念ベースだったとしても、結局やりやすい概念を選んでしまう」という発言があり、確かに、と思いました。
このあたり、検討する必要がありそうです。
ゲーム性をもたせる
共通の教材でやる、概念をくじで選ぶ、などゲーム性をもっともたせても良いのではないか、という意見も出ました。
「ラクイチ授業プラン」シリーズをやっている身としては大賛成!
もっと楽しいワークショップになりそうです。
こういうワークショップを、普段の教科会でどんどんやっていきたいと思いました。
教科全体の指導力が確実にアップすると思います。
このような取り組みが自然にできるようなチームワークづくりが求められてきますね。