Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

【読書】『パパは脳研究者』子どもの成長に合わせて読むと面白い

 今日紹介したいのは、池谷裕二『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』(クレヨンハウス、2017年)です。

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学

パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学

  • 作者:池谷 裕二
  • 発売日: 2017/08/10
  • メディア: 単行本
 

著者が、娘さんの4歳までの成長を1カ月ごとに記録した本ですが、

脳研究者である著者らしく、今脳では何が起こっているのか、赤ちゃんにどのような機能が備わってきたのかなど、様々な研究結果をふまえながら解説してくれます。

 

例えば、赤ちゃんが生まれると母親は「かわいい!」「何が何でもこの子を守る」などを思うようになるのですが、それには出産時に分泌されるオキシトシンというホルモンの影響もあるそうです。

この時点で、パパとママの子どもの接し方には差があるのですね。

 

うちの子どももまもなく3カ月、最近では目の前のものを目で追いかけたり、手を動かしたりするようになってきました。

この行為の意味は、この本では次のように説明されています。

見えるものに「手を伸ばす」ということは、「見えるものは自分の手で取ることができる可能性がある」と理解できたことを意味しています。もっとストレートに言えば、彼女の中で「この世界は3次元だ」ということに気づきはじめたわけです。この世界の「あり方」がわかってきたと言ってもよいでしょう。

 この変化は私たち大人が安易に想像するよりも、はるかに画期的な「事件」です。なぜなら、目の網膜(光を投影する眼底スクリーン)は2次元だからです。つまり、脳に届く情報は、全て2次元の視覚情報でしかありません。ところが娘は、その情報をそのまま鵜呑みにしてはいけないことに気づいたということです。実は2次元ではなく、3次元情報が縮約された後の2次元情報だということに気づき、「元の3次元世界」を2次元世界から読み解き、脳内で復元する作業ができつつあるということです。(p.23)

 

著者の解説を読んでいると、子どもの脳の中ではこのようなことが起こっていたのかと、驚かされます。

 

他にも、なぜ赤ちゃんに話しかけるとつい声を高くしてしまうのかとか、赤ちゃんはなぜ何でも口に入れたがるのかなど、

育児にまつわるいろいろな話題が取り上げられていて、興味がつきません。

 

と言いながら、実はまだ最初の方までしか読んでいません。

子どもの変化を先取りして知りすぎるのももったいない気がして、子どもの成長に合わせて少しずつ読み進めていこうかなと考えています。

長い間楽しめる本になりそうです。