Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。IB=国際バカロレア、RW=Reading Workshop、WW=Writing Workshop、P4C=子どものための哲学

小論文の指導法

ここ数年、校内で小論文の指導をする機会が増えてきました。

以前は、出されてきたもの添削して…というやり方が中心だったのですが、クラス全員となると大変で、そのわりに力を伸ばしている実感がなかったので、どうしたものかといろいろ試してきました。

 

今日は、最近よく行っているアプローチを紹介しようと思います。

 

1、ブレストに時間をかける

学期のなるべく早いうちに、ブレインストーミングのやり方を学びます。

課題の内容に関して、まずはなるべくたくさん思い浮かべてメモを作ろう、というワークです。

作文が苦手な生徒が、この段階でつまづいていることが多いです。

2、3個のメモでいきなり書き始めようとしたり、思いつきません、と手が止まったりします。

そういう場合には、グループでブレストをやってみたり、アイデアを広げるために有効な問いの例(5W1Hや、例えば? 具体的に言うと? 〇〇ってどういう意味?など)をプリントにして配り、それに答える練習を行います。

 

2、構成シートを作成する

ブレストである程度内容がふくらんだら、構成シートの作成に進みます。

この場合も、私の方でテンプレートを用意することが多いです。

構成シートに当てはめていく形で、ブレストで考えた内容を取捨選択するように促します。

たくさん考えてたくさん捨てる、というのをこの場面では指導します。

 

3、構成シートを回収し、添削する

この段階でいったん提出させ、添削し、フィードバックを行います。

構成シートだけなので、あまり多くの文章を読まなくていい、というのがポイントです。

また、作文を読んでいるとどうしても誤字脱字や表現の拙さばかりが目についてしまい、そこばかり添削してしまう、ということになりがちですが、

構成シートの添削なので、論理の飛躍や、説得力の弱さ(なぜそう言える?)など、内容面のフィードバックに特化することができます。

そのやり取りを通して、生徒も徐々に、自分の文章がなぜ伝わらないのか、ということに気づいていきます。

 

授業では、実際に小論文を書く前に、いろいろなテーマで、構成シートを何パターンもすくる課題に取り組みます。

慣れてくれば、生徒同士のペアワークにして、お互いの論理展開をチェックする活動にしてもよいでしょう。

 

4、小論文を書く

チェックを受けて合格した構成シートをもとに、実際に小論文を書きます。

この段階で内容や構成が十分固まっている生徒は、自分でどんどん書き進めるようになります。

(この段階で、うまく進められない生徒がいる場合は個別にフォローします。内容メモを確認し、追加の質問をしたり、構成ができているかのチェックをします。)

 

5、推敲

推敲の際のチェックシート(誤字脱字、主語のねじれなど)を事前に配り、チェックシートに基づいて自分で確認するようにさせます。

生徒がチェックすることなので、漏れはあります。

添削する際に、目立つものは小さく印をつけるなどし、返却後に直させます。

(以前は、赤で正しい表記に直したりしていましたが、今から考えると手をかけすぎかなぁと思います。作文が真っ赤になって返却されたら嫌でしょうし。)

 

この指導法のメリット

およそこのような流れを繰り返します。

はじめのうちは、最初のステップ(ブレストや構成)に時間をたっぷりかけるようにします。だんだんそれが自分でできるようになってきたころには、後半のステップを中心に行う、というバランスです。

 

構成シートの段階で一度回収し、添削するのは確かに手間ですが、これを行うことで、最後に出される小論文の質が変わります。

論理展開のあいまいな、よく分からない小論文をたくさん読むのに比べれば、負担感はずいぶん軽減されると思います。

これが教員側のメリットです。

 

生徒の側からみると、ブレストや構成シートづくりを繰り返すことで「考えるとはどういうことか」というのが分かってくるようになります。

この「考え方」をつかんだ生徒は、その後ぐっと伸びます。

 

このやり方を意識するようになってから、小論文の指導が楽しくなってきました。

生徒の成長、思考力の高まりを実感できるからです。

最終的には、内容や構成について、対等に話し合えるようになるのが理想ですね。

 

小論文指導というと、どうしても「書き方」を教える、というふうになりがちですが、「生徒の考える力を伸ばす」ための指導法を、もっと考えていきたいです。