Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

ようやく本が完成!そして初めての販促活動~『ラクイチ授業プラン』ができるまで⑬

企画の発案から、本づくりのプロセスを連載してきました。

校正までいって、ようやく本の完成です!

 

教育に関する本を出す、というのが仕事を始めたときの目標だったので、それを達成することができました。

 

自分の考えたこと、書いたものが本の形になる。

そして書店に並び、Amazonにも載っている。

感慨深いものがありました。

これまでの苦労がすべて吹き飛んだような気がします。

 

発売されたのは夏休み前です。

(春休みと夏休みに、多くの学校の先生が書店に行くため、教育書の発売もそれに合わせてすることが多いそうです)

その年の夏休みは、販促活動に力を入れました。

 

初めての販促活動、とても良い経験になりました。

 

一つには、興味をもってくれる人にたくさん出会えたことがあります。

 

夏休みには様々な教育系のイベントが開かれます。

出版社に作ってもらったチラシと本を携え、できる限りいろんなイベントに参加しました。

そこで知り合った人に、今度こういう本を出しまして…とチラシを渡します。

ありがたいことに、これいいですね!と、すぐにAmazonで注文してくださる人もいました。

ある勉強会で知り合った大学の先生は、本の趣旨を気に入ってくださり、自分のゼミで紹介してくださいました。(教育実習での授業計画に役立ったという話も、後でうかがいました)

チラシを配って説明していると、他教科のはないんですか?小学校だったらほしい、と言われることもあります。こういう声を聞けたことが、次の企画につながりました。

自分の考えたことに賛同し、興味を持ってくれる人がこんなにいるのか、と実感できたことは、貴重な体験でした。

 

それとは逆に、全く興味を示してくれない人にもたくさん出会いました。

 

チラシを配っているだけで、汚らわしいものをかのように拒否されたり、にらまれたりします。

本の内容に関しても「ラクに」の部分で受け入れられない人が多いようでした。

授業準備に手を抜くのはケシカラン、というわけです。

本のコンセプトを説明すると、多くの学校の先生は「ほんとそうですよね」と同意してくださるのですが、学校の先生以外には、まだその現状が浸透していない、ということもあると思います。

私も、すべての授業で手を抜けと主張しているわけではないのですが(本当に大変な時に使ってほしい、というのが意図です)、そこも少し話しただけでは伝わらないようです。

ある時には、授業準備に手を抜くなんて、そんな非常識な本をよく売れますね、と直接批判されたこともあります。

 

興味をもってくれる人がいる一方で、全く意見の合わない人、自分のやっていることに関心をもってくれない人が大勢いる。

当たり前のことですが、本の販促活動を通して、このことがよく分かりました。

 

こういう経験をしたことで、なおのこと、だったらどう書けばより伝わるか、どういうふうに届ければより多くの人に届くのか、ということを考えるようになりました。