Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

課題に集中するための音楽

授業でChromebookを使って課題に取り組ませていると、

生徒からよく「集中するために音楽を聞いていいですか?」と言われる。

調べものをするときや、作文課題のとき、Youtubeで好きな音楽を流してイヤホンで聞きながら課題に取り組みたいそうだ。

個人活動の時間だけなので、誰に迷惑がかかるわけではない。

 

調べもののときはまだ分かるが、個人的には音楽を聞きながら文章は書きにくい。

なので、あまり勧めたくはない。

そういう話をして、意見を聞いてみると、

私もそう!音楽を聞くと集中できなくなるので別に聞きたくない、という生徒がいる一方で、

家でいつも音楽を聞きながら勉強しているので、授業中もそうしたい、という生徒や、

課題によって日本語の曲、英語の曲、歌詞のない曲と区別するので大丈夫です、という生徒までさまざまだった。

 

Chromebookは学校の貸し出しではなく、生徒(ご家庭)に買ってもらっているものなので、ノートやシャーペンと同じく、それをどう使おうが自由だとは思う。

(休み時間の使用については、また別の機会にまとめてみたい)

それで自分の得意な勉強スタイルや集中する方法が分かることも意味があるだろう。

 

実際(受け持っているあるクラスは、私が説明している時間や、話し合いの時間に騒がしくなって、授業が無秩序になりがちなのだが)、イヤホンで音楽を聞くのを許可すると、かなり静かに課題に取り組むようになる。

ただ、これはこれで何か違う気がする。

音楽とイヤホンがないと自分の時間を作れないということでもあり、機械に左右されすぎていないか。

音楽がなくても集中できるようになって、それから音楽の有るなしを選択すればよいのではないか。

クラスのほとんどの生徒は、音楽を聞きながらでも課題に取り組めているようではある(実際に集中できているか、音楽を聞きながらの方が課題のパフォーマンスが上がっているのかどうかまでは検証していない)。

音楽をかけた方が集中する、のではなく、家で音楽をかけながらしか勉強していないのではないか。

現状では、クラスでわずかの生徒が、課題よりYoutubeの画面の方に気がいっている程度だと思う。

そういう課題に取り組めない生徒のために、全員に音楽を聞くことを禁止すべきだろうか。

全員一律で規則を作ると、何が学びに利する行為で、何が学びを妨げる行為なのかを自分で考え、判断する機会を奪ってしまうようにも思う。

Chromebookを使って学びを自由にやらせたいのであれば、一律禁止というような管理的手法についても再検討が必要だろう。

新たな悩みが増えてきている。