Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

エッセイの共有

授業でエッセイを書く課題を出して、Googleクラスルームで提出させた。

生徒はGoogleドキュメントで作成している。

 

同じ学年を担当している同僚の、クラス内で読み合う実践がユニークだった。

 

Googleドライブにフォルダを作って全員分のエッセイを集約する。

それをクラス全員に共有かけて、誰でも見られるようにしておく。

そこでお互い読んだ作品にコメントをつけていくのだが、その先生が生徒に伝えたことは「言葉でコメントしないこと」だった。

例えば「!」や「?」で、良かったところや、疑問点を表す。

「c」は「cool」の意味で「いいね」の代わりだそう。

その他、「f(=follow)」で「もっと読みたい」といった具合に、クラスでルールを作ってばんばんコメント欄に書き込んでいく。

 

上手な文章や、ユニークな書き方には、クラスの大勢から「!」や「c」がたくさんついて、書いた人はうれしくなる。

教師としても、以外な生徒が以外な箇所にリアクションしているのが面白い。

 

もともと、普通にコメントをつけさせる予定だったらしいが、生徒から「いいねボタンを押したい」という話が出て、急遽このやり方に変えたそうだ。

 

その先生が話していたのは、この方法を取ることで、生徒はエッセイの内容より、書かれ方や表現の工夫にリアクションするようになったということだ。

たしかに、言葉でコメントをしようとすると、書かれ方についてコメントするのは生徒には難しい。その点、記号であれば、感覚で反応できる。

その結果、生徒の意識が内容だけでなく、文体や言葉の選び方に向いた。

 

生徒が文章を読んでいるとき、どこに反応して、どういう気持ちで読んでいるのかも知ることができる、とても良い実践だと思った。

今度自分も試してみよう。