Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

弁論大会の単元で意識したこと(1)

今日は3名の方が授業見学にいらっしゃいました。

高校生の「話す、聞く」学習活動ということで、いま取り組んでいる弁論大会の準備を見ていただきました。

 

授業後のインタビューで話したのですが、今回の単元では、「自分で決める」ということを意識して設計しました。

 

一つはテーマについてです。

 

本校では哲学対話や、探究活動を通して、自分が気になっていること、疑問、考えたい問いを大切にするように中学生の時から促しています。

そのため、身近なことに関して、抽象的にとらえて問いを立てることは上手になってきています。

しかし一方で、社会的な問題に対する関心は弱いと感じていました。

高校生になった彼らにはもう一歩踏み出して、いま世の中で何が問題とされているのか、それについて自分はどういう立場なのか、ということについても考えてほしいと思いました。

 

それが、自らの興味で学ぶきっかけになったり、大学の学部選択や、いずれは就職のときなどに役立つかもしれないと考えたからです。

 

と思って始めてみたものの、テーマ決めはかなり難航しました。自分でテーマを決めるのは、本当に苦手なようです。

 

まず、テーマや課題は先生から与えらるもの、という強い意識があります。

これから自分が述べたいテーマを挙げてみよう、といっても、ない!思いつかない!といったリアクションがほとんどでした。

 

マインドマップ作りや、ブレインストーミングから始め、自分は何に関心があるのか、最近読んだ本は何か、気になるニュース 

は何か、など、ゆっくりテーマを探させました。動けない生徒のところへいっては、質問して、答えを引き出していきます。

 

早い生徒は1時間程度の活動で、様々なテーマ候補を見つけられるのですが、

苦手な生徒は3時間かかっても、なかなか決められないのです。

 

なぜこのような差があるのかは分かりませんが、

小さい時から自分で決める経験を積んでいるのか、決める経験をほとんどしてきていないのか、そういうことも影響しているのかなぁ、と考えました。

 

ただ、ここで教師がテーマを決めてしまっては意味がないと思い、ぐっと待つことにしました。

 

自分で決める、二つ目は評価基準についてなのですが、それはまた次回に。