Senobi

私立の中高一貫校で国語を教えています。国際バカロレア、子どものための哲学、ワークショップ型の授業づくりに関心があります。

そもそものきっかけ~『ラクイチ授業プラン』ができるまで②

今日は、なぜ本を作ろうと思ったのか、について書いていきます。

楽しい授業がしたい

中高一貫校に勤めており、ずっと中学生の授業を担当してきました。

多くの先生と同じように、私も昔から楽しい授業がしたい、と思い、

機会があるごとに、ゲーム性のある課題や、創作課題を取り入れていました。

また、休日にオリジナルのパズルを作ったりして、それを配ったりもしていました。

(今から考えてみると、よくそんな時間をかけてやっていたなあ、と思います。当時は効率とか度外視でした)

 

そういうことを繰り返しているうちに、

生徒のリアクションが良く、みんなが楽しんで取り組めたものや、逆にいまひとつだったものなど、いろいろできてきて、自分のなかでネタがたまっていきました。

 

授業準備が間に合わない

一方で、学校で仕事をしていると、時には授業準備が間に合わない!という事態に陥ることがあります。

生徒指導、保護者対応、部活、学校行事、分掌の仕事…

ただでさえ多くの仕事を抱えている日々。

何事もなければいいのですが、突発的なことが起こったりすると、一気に仕事が回らなくなります。

放課後、勤務時間をずいぶん過ぎてから、明日の授業どうしよう、と考え始めることもありました。

 

はじめのうちは体力にまかせ、

すべてが終わった後、夜中や早朝、睡眠時間を削ったりして、授業準備をしていました。

夜遅くまで学校に残ってずいぶん仕事していたものです。

 

これまでのストックを活用する

しかし、そんな働き方は持続しません。

勤務時間を超えてまで働いていたので、体調をくずしたりするようになってしまいました。

 

このままでは良くないと思い、

本当に大変なときは、最初に書いたような、これまでに作った授業のネタの中から、良かったものを使い回すようにしていきました。

(※本当は、授業準備が最優先にならなければなりません。しかし、学校の現実問題として、なかなかそうできていない状況があります)

 

もともと作ってあったプリントなどがあるので、新たに準備する必要はありません。

過去にやってみて良かったネタを再び使っているので、生徒の反応も上々です。

 

また、他の先生が部活の試合の引率で不在だったり、病気で休んだりして、替わりにクラスに入るような場面でも、これらのネタを使って自習課題にしたり、国語に関するレクリエーションにしたりと、活用できました。

 

需要に気づく

これは、ある程度教員生活が長くなって、経験やアイデアのストックがあるからこそ、できたことだと思います。

20代の頃には、こういうことはできません。そもそもそういう発想がなかった。そのため、ずいぶん無理してきました。

 

私以外にも、遅くまで残って授業準備をしている先生はいます。

とくに若い先生に無理をさせないためにも、自分の持っているものは共有した方が良いのではないか、と思うようになりました。

そこで、他の先生にも使ってもらえるように、授業アイデアを紹介したり、プリントを共有できるようにしていきました。

(学校の先生は、自分で作るのが好きなので、あんまり共有する文化がないのです)

 

こういうふうにすると、いろんな先生から「今度使わせてください」とか、ピンチの時に実際使ってもらって「助かりました」とか感謝されたこともありました。

こういう経験があったので、これは需要があるなと気づきました。

そして、こういうすぐに使える授業アイデアが本としてまとまっていたら、助かる人も多そうだなと考えるようになりました。

 

次回は、ここからどう具体的な計画を立てたか、について書こうと思います。