【読書】『見違えるほどきれいな字が書ける本』
もともと書道に興味があったのと、悪筆を何とかしたいという気持ちもあり、書道教室に通っています。もう8年になります。
それくらい続けていると、創作の作品作りはぼちぼちできるようになったのですが、
小筆で整った楷書を書く、宛名書き、賞状書き、または硬筆、ペン字などが、なかなか上達しません。
書道をやっているというので、職場でも様々な機会に字を書いてくれと言われるのですが、たいてい期待にそえることができず、情けなくなります。
家で過ごす時間が長くなった今、腰を据えて、字の矯正をしてみようと思いました。
硬筆、ペン字を練習するのにとても役立っているのがこの本です。
この本の良いところは、
手っ取り早く字キレイに見せるコツから、さらにもっと漢字を美しく見せる応用技、ひらがなを楽しく書く方法など、いろんなニーズに合わせたテクニックが、バランスよく取り上げられていることです。
たとえば、忙しくてなかなか字の練習をする時間がない場合、
第1章で紹介されているポイントだけおさえるだけでも、相当書き方は変わると思います。
この本を読んで、私の字の改善点は、右肩上がりになりすぎていること、角張すぎていること、力を入れすぎていること、などがあると分かりました。
この点を意識して練習するだけでも、ずいぶん字の印象を変えることができます。
字の練習をしながら考えたのは、これをどうやって教育現場に活かすか、ということです。
大人でもそうなのですから、生徒は字を整えて書くコツをほとんど知らないのではないでしょうか。
小学校で字を整えてかく指導はされますが、中学校で教えていると、字を書く基本をほとんど身につけていない生徒がけっこういます。
中学校でも書写の時間はありますが、なかなかフォローしきれません。
試験で測れる部分ではないので、見落とされがちということもあると思います。(国語の試験の補習はあるが、字をきれいに書くための補習はない)
ライティング・ワークショップなど、文章を書く楽しさを伝えたいと様々な授業を行ってきましたが、それ以前に、文字を書く楽しさを伝えることができていないのではないか、と思うようになりました。
そもそも文字を書くことに苦痛を感じているのであれば、文章を楽しく書くことはできません。(PCで書く場合はまた別です。年齢に応じて、どのくらいまで手書き中心なのか、といった議論が必要だと思います)
自分の字に自信が持てたり、字をきれいに整えて書くことに価値を見出したりできるように、もっと授業時間を割いた方がよいのではないかと考えました。